フェルコメンテナンス工房をお引き受けしてから今年の8月で
まる7年が過ぎました。
普段、「源利平(みなもとのとしひらさんとう)」の仕事で手一杯な事もあり
積極的に「フェルコメンテナンス工房」の宣伝をしておりませんが
それでもお客様が次のお客様をご紹介下さるご縁にも恵まれ
振り返ってみると、この7年間に随分と色々な方との出会いがありました。
個人のお客様をはじめ、果樹農家の方、園芸関係の方・・・ 等など、
修理のハサミをお預かりした時のやりとりの中で
「一日中、腕を上げてブドウの木の剪定をしています」
「レモンの収穫でとても忙しいです」
「雪が降る前に剪定しないと・・・」
など、私の知らない世界の一コマを伺えるのも楽しみの一つです。
西オーストラリアのパースでキングスパークの植物園に勤務しておられる方から
日本へ帰国中にフェルコ剪定ばさみのメンテナンスを承った事もありました。
このキングスパーク州立公園ではスタッフの全員にフェルコのハサミが支給されるとの事でした。
過日、私が手にした本
「世界遺産キューガーデンに学ぶ はじめての英国流 園芸テクニック 著:舘林正也」
この本の88ページにフェルコ剪定ばさみの事が書かれてありました。
以下、イギリスに7年暮らしておられたという舘林正也様が書かれた本文からの抜粋です。
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イギリスのガーデナーは、剪定バサミを革のホルスター(ホルダー)に入れて常に腰に携えています。
それはあたかも武士の刀と似ているような気がします。腕の立つガーデナーは手入れを欠かさず、ハサミの切れ味は常に鋭いものです。
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中略
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イギリスの新聞や園芸雑誌などで、たびたび「剪定バサミのロールスロイス」として紹介されているのが、フェルコ社(felco)の剪定バサミです。
手の小さな人向け、左利き向け、農家など剪定を長時間行うプロ向けなど、バリエーションも豊富です。
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フェルコ社の剪定バサミの最大の特徴は、付属の工具で簡単に分解できるということです。手入れがしやすく、部品ごとに汚れを落とせ、ハサミをいつも清潔に保てます。
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私はこの本を読むまで
清潔なハサミで剪定する方が植物にとって負担が少ない
という事を意識していませんでしたが
言われてみれば、なるほど~、と納得。
また、この本には、剪定ばさみの赤い柄は単なるデザインではなく、
庭での剪定作業中にハサミを落としたときに、
緑色の草むらで目立って見つけやすいため、
とも書かれていました。
我が家には樹木を植える庭がなく、
普段、適当にお水をあげていた鉢植えでは
失敗することも多々ありました。
この本を参考に草花を育てて、花のある日常を送りたいと
改めて思いました。
■フェルコメンテナンス工房からひとこと
===ネジの取り外し・取り付けについて===
ネジを外す際に何度も付属の調整キーを使うと
ネジ山が傷んでしまうことがありますので
当工房ではスパナを使っています。
「スパナ」は下の写真のような小さな工具になります。
ストッパー用ネジは7mm、
ロック用ネジは8mmのスパナが必要となります。
当工房で使用しているスパナはKTCというブランドです。
100均のように安すぎる工具はかえって
ネジを傷める原因となりますので、ご注意ください。