数年前からハサミ研ぎ修理を承っていたお客様(オーストリア・ウィーン在住のご夫妻)は anzüglich organic & fair というアパレル事業を営んでおられました。

日本人の旦那様とオーストリア人の奥様。日本へ帰省の際に何度かご来店くださっています。

とても素敵なご夫妻で2019年のご来店時、「次回はお食事でも一緒に」とお約束をしました。

2020年~2021年は突然のコロナパンデミックでご来店いただけませんでしたが、今年の3月に念願が叶い、研ぎ修理担当の夫も交えて4人でお食事する機会がありました。

話題は多岐にわたり、とても楽しいひとときでした。

でも厳しい現実も。

実はこのコロナで、事業をたたむ事になりました。

とのこと。

anzüglich organic & fair さまは、しばらくの間ホームページ https://anzueglich.at/ を継続公開しておられます。

母国オーストリアでテーラーとしての技術を学んだあと、

2007年から、一点物のオーダーメイドを開始。

環境に優しい生地を求めていたところペルーのオーガニックコットンと出会う。

2009年にペルーのクスコに拠点を移し、NGOで耳の聞こえない女性に裁縫を教えはじめ、地元で取れるオーガニックコットンを使って織られた生地でコレクションを作り始め、この頃から展示会への招待があり、B2Bが始まる。

2011年に旗艦店をウィーンにオープン。

とのこと。

「フェアトレード」でペルーの縫製工場を運営しておられたようです。

そのことはホームページの Our Story にも掲載しておられます。

当店で承った研ぎ修理、仕上がったハサミはこのペルーの工場でお使いいただいてたようです。

起業から閉業までの経緯を伺って、その内容の濃さに驚きました。

今までのご苦労や喜び事を語っていただくには、今回の会食時間だけでは全く足りず、私達が伺った内容はほんの一部にしかすぎませんが…。

映画になりそうなお話で、お二人の出会いや助け合いに「ドラマチックな運命」を感じました。

2020年春にレーベルを発表する予定が、コロナで断念。 

そのコレクションは、出荷前日にペルーがロックダウンを開始した為、断念。

そのままロックダウンは数ヶ月も続き、誰も工場に行くことが出来ずに、閉鎖となりました。

とのこと。

私は今回のコロナを「立ち止まって今までの事を見直す良いきっかけ」と捉えています。 

お若くて実力のあるお二人。

少し休息をとられた後に、「今までの経験を活かした新たな何か」をお始めになられるのでは?と予感しています。明るい未来が待ってるような気がしています。

それが日本で!関西で!! だったら、お話の続きをゆっくり伺える機会が増えて嬉しいんだけどなぁ♪

と、密かに願ってます・笑。

どこの国(場所)であっても今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。