ベルソー(ロッカー)の研ぎと刃欠け直しの依頼を受けました。

ベルソー(ロッカー)は銅版画に使う道具で、
今回お預りしたものは2丁ともアメリカのE.C.LYONS製でした。

写真ではわかりにくいと思いますが、
刃先が細かくのこぎりの刃のように目立てされています。
刃の表はノミのような形で

刃の裏に細かい筋が入っています。

大阪市西区のお客様がサンプルの銅版と一緒に持ってこられました。
ベルソーの研ぎは今回が初めての経験でしたので、
お客様から直接刃物の現状を聞き、使い方も実演して見せていただいてから
研ぎ・修理作業に入りました。
結果、

 「とてもよくなっていて嬉しいわ。
  メゾチント(ペルソーを使う技法)のいい作品ができると思います。」

と、お客様に仕上がり具合を満足していただけたので本当に良かったです。

刃欠け(修理前):小さな刃欠けですが、これがあると銅版に
この部分だけ刻みが入らないので困るそうです。

刃欠け(修理後)

「世の中には、まだまだ自分の知らない道具が色々あるなぁ。」とあらためて思いました。